大昔、富士山と八ヶ岳が高さを競いあった。しかし八ヶ岳は富士山に敗れた。
富士山に叩かれ八つに砕かれ今の姿になったと言う伝説がある。
奥蓼科と佐久穂町を結ぶ国道299号は別名「メルヘン街道と呼ばれている。ふもとの蓼科のリゾート一帯は絵本に出てきそうなペンションやロッジが次々と現われれる。若い人には人気のスポットらしい。少し気恥ずかしい思いがしながら高度を上げて行く。しばらくすると山岳道路らしい風景に変わってきた。
道路の標識が現われ「麦草峠 標高2127m」」のポールが立っている。麦草峠は、渋峠に次いで国道で越える峠としては国内2番目の標高である。
八ヶ岳連峰の丸山と縞枯山の鞍部が麦草峠になるが、カラマツの林に囲まれて、展望はない。八千穂側に少し下りて見渡せる場所を見つけカメラを構えた。カラマツが見事に紅葉し、大樹海が望めた。遠くには秋空の中に日本百名山のひとつの浅間山(2568m)が横たわっていた。