No 024 坂堂峠(山口県)~吉田松陰が竹牢で運ばれた峠~
 坂堂峠(山口県)

坂堂峠(山口県)

松下村塾の室内 松下村塾の室内
●山口県萩市~山口市
●標高  510メートル

「身はたとい 武蔵の 野辺に 朽ちぬとも 留め置かれまし 大和魂」

  幕末、思想を生み思想に生きた吉田松陰が、江戸小伝馬町の牢獄から門下生に書き送った「留魂録」の冒頭の句である。火を吐くような句を残して斬首の刑を受ける。享年29。あまりにも早い死であった。安政の大獄は幕府の諸策に対する反対派の一掃と危険思想に対する弾圧事件である。尊王攘夷や一橋派らその数は100名を越した。
吉田松陰が生まれ育った萩に向かった。日本海に面した萩は、静かなたたずまいの町だった。松蔭神社の中に松下村塾があった。平屋で二間だけの小さな私塾だが、ここで松蔭は門下生たちに思想のすべてを教え込んだ。その門下生たちが高杉晋作、伊藤博文、木戸孝允、山縣有朋など明治維新の立役者になって行く。
 

松下村塾の外観 松下村塾の外観
 坂堂峠は萩往還の長門と周防の国境にある。吉田松陰が竹の牢に入れられ、生まれ育った国を越えるときどんな気持ちだったのだろう。二度と戻ることはなかった。

*山口県や広島県では峠のことを「たお」や「だお」と呼ぶことが多い。

坂堂峠map

★坂堂峠へのアクセス

・中国自動車道山口ICを降り山口市内から県道62号で坂堂峠へ。峠から萩の松蔭神社へは車で約30分

★周辺の見所

・参勤交代にも使われた歴史の道萩往還や松蔭神社で吉田松陰を知ることができる。


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