No 028 さった峠(静岡県)~菩薩像を祀られた峠~
さった峠(静岡県)
●静岡市清水区由比町~興津井上町
●標高 125メートル
さった峠は箱根峠、鈴鹿峠とともに東海道の三大難所として知られている。鎌倉時代の文治元年(1185年)駿河湾で漁をしていた網に菩薩像が引き上げられた。不思議に思った漁師が山上に祀り豊漁と航海の安全を願ったことから「さった峠」と呼ばれるようになった。
もともと海岸線沿いに路があったが、海が時化ると波で道が洗われ何日も通れない時もあった。江戸時代に入り、豊臣秀吉による明、朝鮮侵略を謀った慶長の役により、断絶していた日本との国交を回復するため朝鮮通信使がやって来る。時化で路をふさがれ、朝鮮通信使たちが困らぬよう徳川家康の命令で山沿いの道を普請し、いつでも通れるようになった。
みかん畑が続く細い道を登って行くと、峠の展望台がある。眼下には駿河湾の美しい海原が広がっていた。黄金色の海原に一艘の船が進んで来た。北に目を移すと国道1号線、東名高速道、JR東海道本線が重なりあう交通の要所の特異な風景の奥に雪化粧した富士山が望めた。
★さった峠へのアクセス
・国道1号線から旧道の東海道に入り小池邸を過ぎ、みかん畑の細い道で峠へ。
★周辺の見所
・峠周辺の散策や由比の宿小池邸の見学、名物の桜えびも味わえる。
峠百景トップ |
< 27 十三峠 へ |
No 29 四十曲峠 へ >