焼き物の里有田や伊万里を眺望する峠、栗ノ木峠を目指した。伊万里の市街地から国道498号で国見山(777m)に向かう。峠に着くと山水を汲む人が何人もいた。東の方を見渡すと雲の間から放射状の光が有田の山々を美しく照らしていた。有田は日本で始めて磁器が生まれたところである。
豊臣秀吉の命令で朝鮮、明国の侵略を謀ったがあえなく退散、6年もの年月をかけた文禄・慶長の役(1592~1598年)は、何の益も無いまま帰国する。その際、朝鮮から多くの陶工を連れてくる。その中に李参平がいた。有田の泉山で原料を発見、磁器作りにとりかかる。やがて白く繊細で美しい磁器が生まれる。それまでの厚くて重い日本の食器が大きく変わっていく。