No 030 栗ノ木峠(佐賀県)~焼物の里有田を眺望する峠~
栗ノ木峠(佐賀県)

栗ノ木峠(佐賀県)

大川内山(伊万里)には多くの窯元が立ち並ぶ 大川内山(伊万里)には多くの窯元が立ち並ぶ
●佐賀県有田町~長崎県佐世保市
●標高  651メートル

 焼き物の里有田や伊万里を眺望する峠、栗ノ木峠を目指した。伊万里の市街地から国道498号で国見山(777m)に向かう。峠に着くと山水を汲む人が何人もいた。東の方を見渡すと雲の間から放射状の光が有田の山々を美しく照らしていた。有田は日本で始めて磁器が生まれたところである。
 豊臣秀吉の命令で朝鮮、明国の侵略を謀ったがあえなく退散、6年もの年月をかけた文禄・慶長の役(1592~1598年)は、何の益も無いまま帰国する。その際、朝鮮から多くの陶工を連れてくる。その中に李参平がいた。有田の泉山で原料を発見、磁器作りにとりかかる。やがて白く繊細で美しい磁器が生まれる。それまでの厚くて重い日本の食器が大きく変わっていく。

800体余の陶工たちの墓が集まった陶工無縁塔 800体余の陶工たちの墓が集まった陶工無縁塔景
 その後、製法や技術も進み華麗な色付けの花瓶や皿は、伊万里港から遠くヨーロッパまで輸出され、貴族たちに愛された。



栗ノ木峠map

★栗ノ木峠へのアクセス

・国道202号線で伊万里市街を通り498号で栗ノ木峠へ。伊万里駅から車で約20分

★周辺の見所

・焼物の窯元が立ち並ぶ大川内山や有田の町は、焼物好きの方は必見。


峠百景トップ | <  No 29 四十曲峠  |  No 31 顔振峠  へ >